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PILOT モーグルエアーの徹底考察レビュー!現代の「折れない」シャーペンを分析する!

皆様、こんにちは。久しぶりのエントリーになります。ここから少しずつペースを上げて投稿していきたく考えています。どうかよろしくお願いします!

はじめに

「折れない」シャーペン路線は登場以来、今日に至るまで一定の需要があるように思います。

その中でも、頭一つ抜きん出ているシャーペンは、ゼブラ社の「デルガード」でしょうか。デルガードは、2014年に発売されて以来、その「折れない」というコンセプトから爆発的ヒットを生み出したと記憶しています。もちろん他社さんの方がパイオニアなのかもしれませんが。。。

それを皮切りに、数多メーカーから「折れない」シャーペンが登場した印象があります。

そんな中、今回紹介するシャーペンは、「パイロット モーグルエアー」になります!

PILOTから登場した「折れない」シャーペン!

 

 

 

折れない」コンセプトのシャーペンの歴史

「折れない」コンセプトのシャーペンの歴史を振り返ってみましょう!

  • 2009/09/01 : プラチナ万年筆 オ・レーヌ発売
  • 2014/01/27: オレンズ 発売
  • 2014/06/10 :オレーヌシールド 発売
  • 2014/11/12 : デルガード(スタンダード)発売
  • 2015/11/06 : クルトガ パイプスライドモデル 発売
  • 201610/20 : プラチナ万年筆 オ・レーヌプラス 発売
  • 2017/1/6 : モーグルエアー発売
  • 2017/3/22 オレンズネロ発売
  • 2017/03/22 : クルトガアドバンス
  • 2019/11/10:ドクターグリップ エース発売

折れないコンセプトの中でも、パイロット社が発売したモデルこそが、今回紹介する「モーグルエアー」シリーズですね。

大きく折れない系のシャーペンには2種類に分類されます。

  1. ガイドパイプが縮むことにより、芯が折れることを防ぐ方法
  2. ペンの軸にサスペンションが搭載されており、筆圧を吸収する方法

このうち、今回紹介する「モーグルエアー」は、後者のサスペンション型です。ネットの意見では、サスペンション型のペンはあんまり評判が良くないみたいです。しかしながら、いい側面も持っていると思いますし、十二分に活躍するポテンシャルを持っていると考えています。

そんなわけで、PILOTの「モーグルエアー」について分析を行い、その真の力を紐解いていこうと思います。

基本スペック

基本スペックは、以下の通りです。

軸としては、細軸寄りで、重さなどのバランスは平均的、という印象があります。

材質は、軸本体は樹脂製で、比較的軽めに感じますが、後述の内部機構が重量感があり、思ったより重く感じる印象です!

カラーリングに関しては、0.5 mm, 0.3 mm共に6色展開になります。この他にも、一部限定色が存在します。

現在、アイスブルー・バイオレット・ピンクの3色はメーカーの生産が終了しているみたいです。メーカー公式のラインナップには含まれていませんので、店頭在庫のみになるかと思われます。

モーグルエアーの特徴ポイント

この章では、モーグルエアーの特徴ポイントに、スポットライトを当てていきます。

目玉機能:アクティブサスペンション

モーグルエアーの目玉機能「アクティブサスペンション」を分析します。

平たく言えば、「振動を吸収する」機能のことです。このコア技術により、「折れない」機能を実現しています。

通常のシャーペンでは、筆記の際に無理な負荷がかかってしまうと強度のないシャー芯は折れてしまいます。

特に負荷のかかる場所、それは「書き出しのタッチ」です。

ペン先が紙面にふれるその瞬間には、非常に大きな力が芯にかかります。

これに耐えられず、一般のシャーペンから繰り出される芯は折れてしまいます。

アクティブサスペンションの機能があれば、机から受ける力を逃がすことができます。

この機能により、芯が折れることを防ぎます。

公称では、かかる力の50%を吸収しているとのことです。

実際に数値化して公称値として表現しているのはPILOTの自信の現れですね!

これは非常に魅力的に感じました。私の調査した限りでは、他社メーカーでは具体的な数値まで記載しているところはなかったので、この点は非常に評価できますね。もちろん、数値を載せていないメーカーが悪い、というわけではありませんが。

伝家の宝刀:フレフレ機構

ハイロット伝家の宝刀「フレフレ機構」をモーグルエアーも踏襲しています。

この機能についてはもはや説明不要かもしれません。内部に入っている鉄芯が振られることにより上下し、そのときの勢いで芯が押し出される構造です。

この技術でパイロットは特許を取得しており、フレフレ技術に関してならば他社の追随を許しません。

他社における類似製品では、「アルファゲル シャカシャカ」などがありますね。他社と比較しても、パイロット社製のフレフレ機構の気持ちよさは随一ですね。

本体側面には、クリアの部分に「2020  × ACTIVE SUSPENTION」の文字があります。その名の通り、軸の中で重要機能の箇所は、クリアになっており、メカ好きな男の子の心をくすぐるデザインになっています(笑)

モーグルエアーに対して気づいたこと

アクティブサスペンションは、書き心地にも影響

アクティブサスペンション機能は、書き心地にも影響をもたらします。

私まさぽんが長い期間を使用してみた感想は、「やわらかい使用感」ということです。

例えば、漢字の一角一角を止めなどをきっちりして書く人をはじめとした「書くときに反発感が欲しい人」には不向きなモデルかもしれません。

書く際に踏ん張りが効かない感じがあるので、きっちり止めようとすると、沈み込み不自然な使用感を感じることになります。

逆に、そこまで筆圧を要求しない場合(簡単なメモ、英語、そもそも筆圧の高くないユーザーの方)であれば、さらに芯折れのリスクが少なくなる頼もしい味方になるでしょう。

パーツの重量感により重め

実はこの子、重量が15.5 gも地味にあります。

これにより、見た目から想像する以上に重めの書き心地となります。

100円シャーペンのようなプラスチッキーな書き味では全く無いです。

金属パーツ(アクティブサスペンション、フレフレの金属パイプ)がいい塩梅にバランスポイントを決めており、使っていて負荷が少なくなるようになっていると感じます。

ドクターグリップエースの登場の伏線

グリップがあれば・・・という意見がネット上で数多く見られました。

このシャーペン、実はドクターグリップエースの伏線だったのではないでしょうか。

いきなりグリップを付けたモデルを登場させてしまっては、「新商品」というレッテルを貼れなくなってしまいます。差別化が困難になってしまいます。

個人的に商業上の都合によりグリップがつけられなかったと思っています。本当に勝手な想像ですが・・・

ドクターグリップエースが比較的ウケているのでこの戦略は成功と言えますね。(笑)

ドクターグリップに関しての記事はこちらにありますのでぜひ興味があればご覧ください・・・!

フレフレ機構と現代の嗜好

フレフレ機構・・・私の学校では賛否両論ありました。

もちろん「芯を出す手間をなくした」というのは革命的なアイディアです。私は大好きです(笑)

なのですが、学生の間ではネガティブな意見も一部ありました。

その最たる意見は「騒音性」です。

試験中にはうるさくて結局フレフレの金属パーツを取り外す人も多かったです。

また、ノックとそこまで労力が変わらないと言う意見もあり、結局ノックに帰着することもありました。

フレフレの機能自体は非常に昔からあったもので、今の時代にフィットしているかというとそれはNoかもしれません。

抜本的なアイディアがPILOTから実装されることを期待します。

新技術を抜きに、最高に書きやすいシンプルなペンの開発もいいですね。

最近は、複雑な技術を付加価値としたシャーペンが世に出回り過ぎています。

結局のところ、今の時代でもグラフ1000やスマッシュがトップクラスに注目を集めていることがシンプルのよさを物語っています。

余分な機能のない、「最強」なペンの登場、よろしくお願いします笑

おわりに

今後の技術に関して

現時点では、折れないシャーペンは大きく二つのアプローチの技術が存在することがわかりました。まだまだ技術革新が進めば、さらに新しく、我々の「書く」が楽しくなるような機能が登場してきます。そんな技術に触れることができると考えるとワクワクが止まりませんね!

どこか抜本的な折れない技術の登場を願って、本記事は帰結とさせていただきます。

PILOTから登場した「折れない」シャーペン!

 

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

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