教育&勉強法

テスト後の振り返りで重要ポイントとなる6項目で成績アップ間違いなし!

はじめに:作成の経緯

塾で働いている講師の立場から勉強を眺めていると,「試験」を無駄にしているなぁと常々感じていました。

ですが,これは生徒が悪いのではなく「試験に向き合う仕組みができていない」からだと思います。 試験を振り返るよりも次の授業の準備と休む間もなく先の勉強が迫ってくるので無理もありません。

試験の振り返りを行うということは自分のそれまでの勉強の習慣を振り返るいいきっかけになると思っています。

ですが,学校では試験の振り返りの仕方を教えてくれません。基本的には。やり方も分からないのに試験の振り返りを行うことは無理なわけです。

そこで,振り返りを行うためのきっかけの一つとして,記述式の試験振り返りシートを使おうと考えつきました。正直,ネットをいくらか調べればそれなりの試験反省シートはあるだろうと思っていましたが,あまり自分たちが求めているようなものは少なかったです。

私たちが求めているものは次のようなものでした。

  • 生徒が試験の振り返りを行う際に,負担になりすぎない行動障壁の低さ
  • 5段階評価などではなく,自分の思考が言語としてアウトプットできるもの
  • 「次はゲームを控える」など抽象度の高い目標で終わらないもの

特に1つ目は自分の中では特に重要な項目でした。というのも,勉強が苦手な子でも参加できるような参加難易度の低さにしなければ,そもそもやってくれません。

少しずつできるようになってくればレベルの高いことを要求すればいいのです。

また,試験振り返りのレベルアップを考慮し,試験反省用紙もアップデートすべきだと考えました。

理想的な試験振り返りシートの作成以上に,試験を振り返るきっかけを与えることが自分の任務だと思い,仲間と議論し,思考を凝らしました。その結果をまとめていこうと思います。

実際に作成してみた。

実際に,試験を客観的に振り返る機会を設けるために次のような試験振り返りシートを作成しました。

試験反省シートv1の作成

今回作成した試験反省シートは次のようになります。以降で細かく解説をしていきます。

試験反省用紙の画像。以降に詳細を解説
  1. 学年,科目,点数,平均,順位

    この紙にまとめているテストが

    いつのテストなのか,何のテストなのか,何点取ったのか,

    • いつのテストなのか
    • 何のテストなのか
    • 何点取ったのか
    • どのくらいの位置に分布していたのか(平均点,順位から)
    • 自分のミスで何点落としたのか(レベルが上がってきたら)

    をまとめます。レベルが上がってきたら,「自分のミスで何点落としたのか」も調べられるとよいと思います。

    ここから,この紙でまとめてあるテストの概観が掴めるようにしてあります。

  2. 試験でできたこととその要因

    試験でうまくいったことと,その理由を書く欄を設けています。「うまくいった理由」が明確にならないと,再現性がないため次回の試験で応用することができません。次回以降にも再現するために,ここで言語化をするという意図があります。

  3. 試験でできなかったこととその要因

    2番同様に,今度は「試験でできなかったこと」について深掘りをしていきます。ここでは,うまくいかなかったことについて,その**「根本的な原因」を探ることが重要**になってきます。

    例えば「勉強が確保できなかった」という事象があったとします。その原因が「ゲームをやってしまった」としましょう。

    ここで,根本の原因というのは「ゲームをやる」ことではなく「自分がゲームをするのは良くないということはわかっているのに,ゲームができてしまう状況にある」ことではないでしょうか。

    ここまで根本の原因を明らかにすることで,「ちゃんとした」改善策を考えることができます。

  4. 上記を踏まえた次回試験への行動計画

    3番で明らかにした課題を解決するための施策を考えます。原因がはっきりしていればしているほどここで明確な行動指針を得ることができます。ここも,具体度が高ければ高いほど良いと思います。

    たとえば,「ゲームの時間を減らす」のような行動指針にしたとします。しかしこれでは,何時間減らしたら「減らす」になるのか明確ではありません。ですので,実行に移すことが難しくなってしまいます。根本的な原因は「自分がゲームをするのは良くないということはわかっているのに,ゲームができてしまう状況にある」ところにある場合,ゲームを物理的にさわれない状況に自分を置く必要があると考えつきます。例えば,

    • ゲームを持たずに図書館など他者がいる環境に足を運ぶ
    • 家族が仕事なら,スマホなどをいっそのこと親に預けて強制的にスマホをさわれない環境を構築してしまう
    • 家で集中できないなら,学校で居残りして勉強してみる

    といった具合にです。このように「原因の本質を探り,修正する」ことが改善の一歩になると思います。

  5. 次回への目標や,コメントなどをご自由に

    この試験を通して思ったこと,感じたこと,考えたことなどを自由に書くスペースを設けています。また,次の試験に向けた所信表明を書いても良いと思います。

  6. 先生からのコメント

    実際に指導していて思ったことが「先生からのフィードバックは生徒にとっては想像以上に嬉しい」ということです。自分が生徒だった時のことを考えると,先生からのコメントって,「自分をちゃんとみていてくれている」というふうに感じるのではないのでしょうか?

    ですので,先生からのフィードバックを載せるようにしています。どんなことに対しても,何かしらのコメントを返すように心がけています。

実際の効果

実際に自分が受け持っている生徒に対して行ってみているのですが,「こんなに自分のミスがはっきりした!」など考える時間を設けることができていると感じました。

もちろんこれが完成形ではないので,次の節では改善した方が良さそうなポイントをいくつか述べていこうと思います。

改善点

実際にやってみて,改善すべきポイントは大きく2点ありました。

「なぜ」の理由が甘い子が多い

どうしてもまだ,やったことのない人にとっては慣れないことですので,根本的原因を突き止めることが難しいことが多いです。これをサポートする仕組みとして,「なぜ」の深掘り欄を二つ設けることが考えられました。

なぜの理由に対して「なぜ」ともう一度問うことで,思考が深まるきっかけとなり根本的な原因を見つけるサポートができるかもしれません。

まだまだ苦手な子にとってハードルが高い

まだまだ,勉強が苦手な子に関してはこの手の試験振り返りのハードルがとっても高いです。ここの改善策はまだまだ考えているので,案がまとまったら,また共有していこうと思います。

今はじっくりと本人と対話をしながら少しずつ,時間をかけながら気づかせるきっかけを与えられるようにしているつもりです。

むすび

自分が中学,高校の時を振り返ると,こんなことやってこなかったので,そりゃ点数伸びないよなといった感じでした。当時は「次は頑張ろう」と言った抽象的な目標に終わることが多く,何を頑張れば点数が伸びるのかを自分で考えることがなかったのです。

そんなことが少しでも減らせるように,頑張らないといけないなと思います。

それでは,今回はこの辺で終わりにしようと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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